• 【ドラマ】光る君へ…第11回(3月10日) まさかのラブシーン

    📂投稿グループ

    まさかのキスシーン……。と呆然としていたら、まさかのベッドシーン! ベッドではないが。夜8時台のお茶の間に、いいんでしょうか? 大河ドラマ初? 一人で見ていてもどぎまぎしてしまいます。

    このドラマ、なんか、女性視聴者へのサービスショットが多いな。

    ここまで見ると藤原道長(江本佑)と紫式部(吉高由里子)の純愛ものみたいなんだけど、その後、藤原道長は2人も妻を持つ上、史実では愛人をたくさんつくっているようだし、紫式部も別の人と結婚してしまうってことが分かっているから、純愛シーンを見ても、なんだかな……、である。

    この日の2人の愛の場では、従者はどこに隠れていたんだろう? まさか従者なしってことはないよね? 平安時代ってほんと、プライバシーがなくて大変だ。それにしてもこの放置空家みたいなとこ、戸もなく丸見えじゃないか。

    道長が駆け落ちしようと迫って、紫式部が断固として断るというのは、なんかリアリティーがない。断固として断るぐらいの意思があるなら、こんなふうになびいてはいないと思う。もうすこし揺らぎがあった方がよかったな。それに、一夫多妻だの愛人を次々作るだのが許される世界だったのだから、選択肢は駆け落ち一択ではないわけで、そう思い詰めることもなかったのでは。物語の中の光源氏だって、身分違いのいろいろな女性のところに通って長期的な恋人にしているし、屋敷に住まわせたりもしている。でも、このドラマでまひろ(紫式部)とそんな関係になってしまったら、史実とずれすぎてその後の話の展開が難しくなってしまうんだろう。それは分かるけど。駆け落ちしようというのは無理やりな感が否めない。

    剃髪した花山天皇はまさかの一休さんで、かなりかわいく、似合っていたのが新鮮な驚きだった。ほんと、お気の毒だ。いつの時代にもずるい奴はいるものだ。そういうずるい奴が笑い、得をするように世の中はできている。


  • 【ドラマ】さよならマエストロ~父と私のアパッショナート~ 第10回

    📂投稿グループ

    やや辛口。

    最終回の前の回になってやっと明かされた、娘・響(戸田愛菜)が父(西島秀俊)に反目した理由。それがあまりに下らなさ過ぎて、その説明の長台詞のシーンで一旦離脱。幼稚すぎる。まあ、今までの流れからして大したことなさそうだとは思っていたけど。

    1時間ほどして、気を取り直して続きを見た。この娘・響は23歳にもなるのに子供で、ただの甘ったれ、超わがまま。それだけ。父が「第3楽章をもう少し速く弾くともっといいよ」と言った一言が、100%頑張っている自分に対するプレッシャーであり、もっとがんばれと、「足りないところを見」てさらなる要求をしたということで、ひどく傷つき、以来、父に対して怒りを感じたまま5年も過ごしてきたというのだ。

    100点でなくて95点だったときに、「すごいね」ではなく「惜しかったね」と言われて悲しくなるという気持ちはよく分かる。けれど、「本当にいい演奏だった。で、次回は第3楽章をもう少し速く弾くともっと良くなるよ」というコメントは、もっと良くなるための助言であり、単に足りないところを指摘したというのとは少し違う。十分に配慮がある。それで、欠点を指摘されたと思うのは、本人の受け止め方がそうだったからであり(はっきり言えばひがみとかひねくれとかいうもの)、それをもって5年間も父を憎み続けており、父の方では申し訳ないと思い続けているという設定には、「いい加減にしろ」と言いたくなる。父は甘すぎるし自分を責め過ぎだ。むしろ、娘の方が、「あんなことで怒ってしまって父を傷つけ、父のキャリアまで失わせてしまった」と後悔しているという設定なら、納得できる。なのに、父と和解して、父に対して「前を向きましょう」と言うなどと、調子よすぎる。父がそう言うなら分かるけど、娘の方が上から目線で言うことではない。

    父・西島秀俊はあくまでいい人で、優しくて理解があって、素敵で、ハートウォーミングなのだけど、父のいい人さと娘のわがままさがあまりにアンバランスだ。この父が西島秀俊でなかったら、ただの娘に振り回される気弱な男だ。

    原作のないドラマという点では評価するが、毎回ストーリーは甘すぎて子供向けである。

    それにしても石田ゆり子は美しいなあ。

    【第9回】

    ストーリー・脚本 ★★

    ディレクション ★★★★

    キャスティング ★★★★

    ロケ  ★★★★

    セット・大道具・小道具 ★★★★(よく分からない)

    Special favorite  西島秀俊

    総合的魅力 ★★★

    いつかまた観たい ★★


  • 【ドラマ】「ランチの女王」を観てみた…こういうのが受けた時代があったのね

    📂投稿グループ

    竹内結子が好きだった。江口洋介は昔も今も大好きだ。けれど私はこのドラマを見たことがなかった。

    FODにアップされているのが分かり、見てみた。結果、第2回の途中辺りで、離脱……。すみません。

    竹内結子が、あるレストランで住み込みで働くことになり、ランチの新メニューなど提案して店を建て直すドラマのようだ。その家に妻夫木聡、江口洋介、山田孝之などがいて、いろいろラブストーリーが繰り広げられる(んだと思う)。

    第1回から、竹内結子がたまたま出会った男(堤真一)の実家(江口たち兄弟の家=レストラン)に行くことになったいきさつが無理やりすぎるし、もしリアリズムを重視しないとしても、いろいろ突っ込みどころがありすぎる。ストーリーもこれといって面白いところがない。ただ竹内結子の可愛さを描いているだけのようだ。というか、竹内結子がかわいすぎるから面白くないんだろう。ひねりがないのだ。

    前にも一度見ようとして止めたことがある。その理由は、兄弟みんながその娘を好きになっちゃうというストーリーでは、「はいはい、かわいい子はいいよね」みたいな流れになるだけで、つまらないからだ。「みんなその子を好きになる」という設定は「ひとつ屋根の下」でもあった。(けれども、「ひとつ屋根の下」はすごく面白かった。かわいい娘の役は酒井法子)。かわいい子をみんなが好きになるのは、当たり前である。

    妻夫木聡もいい。山田孝之もいい。みんな嘘みたいに若い。そして、このころの江口洋介はまだやんちゃキャラで面白かった。江口洋介をもっと見たかったが、この話を見続けるのはちょっと無理。リアルタイムだったら面白く観られたんだろうか。竹内結子が主演のドラマは、題は忘れたけどキムタクと共演のラグビーのとか、「不機嫌なジーン」とか、わりといろいろ観て、当時はどれもなかなか良いと思ったけど。残念。

    ストーリー・脚本 ★★

    ディレクション ★★★★(普通)

    キャスティング ★★★★★

    ロケ  (普通)

    セット・大道具・小道具 ★★★★(よく分からないけど普通)

    Special favorite  江口洋介

    総合的魅力 ★★

    いつかまた観たい ★



  • 【YouTube】絶望ライン工CH…ライン工の姿を借りた天才クリエイターについて熱く語らないではいられない

    📂投稿グループ

    世の中にこんな天才クリエーターがいていいものだろうか? 動画を観るたびに絶望するのはこっちである。この人と自分の落差に。

    笑えるけどしみじみする、そして惹き付けられる

    本当に出遅れたのだが、昨日このチャンネルに気づき、暇さえあれば観ている。不思議なチャンネルである。年収240万円の悲哀を漂わせる、6畳一間の和室での生活を一見淡々と見せ淡々と語りながら、言っていることはかなり面白い。絶対に笑わない表情と笑えるセリフのギャップにみんなとりこになってしまう。確かにこれは笑いを取る動画である。しかしなぜか、動画によっては、心が震える。共感? 感動? 言葉にしづらいが、心がわしづかみにされるのだ。コメントを見ても、感動したとか泣けたとかいうのが多い。また、「生きていることの幸せを感じた」「丁寧に生きていてすごい」的なのも多い。「そして、「早送りできない」「過去動画までさかのぼって全部観てしまう」とみんな言っているのである。まさに私がそうだ。

    このチャンネルは3年前(2020年11月8日)に開始され、すぐに大ブレークしていたようだ。私のYouTubeのブラウザー(立ち上げ画面)にも何度もサムネイルが上がってきていたが、特に興味もなくスルーしていた。しかし、あるshort動画のサムネのおにぎりがあまりにもおいしそうだったので、つい見てみたところ、たちまち引き込まれてしまったのだ。おにぎりのチャンネルではなく、40歳ぐらいの婚活中独身男性の日常を切り取って編集したものだった。

    「絶望」をコンセプトに、笑わない動画主と、ゆっくりしたテンポ

    「絶望」ライン工がコンセプトなので、動画主は一切笑わず、表情も変えない。ただこちらを向いて座っているだけで、動きもほとんどない場面が多い。そこにアフレコ的に入れたナレーションは淡々とした、あるいは悲哀を込めた独特の抑揚で、落ち着いている。間もある。YouTubeでは間があったりゆっくりしていると視聴者が離脱すると言われているが、このチャンネルは十分にゆっくりで十分に間があるのだ。私自身、普通なら1.5倍速にしたり、2タップで飛ばしながら見たりするようなテンポなのだが、なぜだか等速で、しかも身じろぎもせず凝視しながら最後まで見てしまうのである。それはなぜなのか、考えているところである。

    YouTubeでの稼ぎ方コンサルの人たちが言っている「再生数を上げる動画作成ノウハウ」とはかなり外れている。どの動画とも違う。彼らは、再生数を上げたければ人の真似をしろと言っている。YouTubeのセオリー(再生数を上げる仕組み)からすると、その理屈は分かる。けれども、人の真似の中には芸術もなければ創作もない。人の真似で金儲けはできるだろうが、そこには自分の存在価値も、創る喜び、表現する喜びもない。この人は、やはりクリエイターなのだ。最低限必要なセオリーには従う中で、独自の表現を試みている。そして、人のコピーのゴミみたいなチャンネルが多い中で、こんなクリエイターが支持を得ていることに希望を感じる。

    只者でないことはすぐバレる…地下に潜ったミュージシャンが制作している一種の音楽動画

    動画を2本も見れば、この人が只者ではないことが分かる。工場勤務だとか年収240万だとか独身だとかを自虐ネタにして日常を語るチャンネルはほかにもたくさんあるが、それらはリアルにそのわびしい(と本人が思っている)生活をネタにしているだけである。けれども、この動画主は単なるライン工ではないことは、動画のクオリティーから明らかだ。一見ただの独身男性の日常生活なのに、フォロワーはすでに45万人にもなっており、動画再生数は毎回それをはるかに超える50万とか100万とかになっている。

    早速ググってみると、すぐにいろいろな情報が出てきた。Wikipediaにも載っている。彼はミュージシャンで、以前は音楽だけで生活していたということ。安積高校から洗足音楽大学に進んだようだ。東北には安積高校や安積黎明高校や安積女子高校などがあり、どこも合唱部が有名である。彼は作曲、編曲、音楽プロデュースなどしており、有名な曲もいろいろあるようだ。ZANIOの名でアルバムも出している。

    チャンネルの中でも歌を歌っており、別チャンネルでは「絶望録音技術」という名前で音楽を専門に発信している。当然、動画に使われているBGM的音楽も本人の作曲、演奏であるだろう。それはBGMでありながらBGMというにはあまりにも存在感がある。ナレーションと音楽と現場音が交互に登場して絡み合うのシンフォニーとでもいうべきものだ。存在感があるといっても主張し過ぎにはならず、興味をもたなければただのBGMとして聞き流してしまうだろう。中でも私が好きなのはギター曲だ。音の深み、響きに幅があって、メロディーもすばらしく、無料フリーBGMのでは聞くことがないサウンドだ。見ていて特に意識はしないけれど、動画を早回ししず吸い込まれるように見続けてしまうことの理由は、音楽の効果にもあると思う。

    文芸的センスと映像制作力と企画力の高さ

    この人の才能は音楽だけではない。言葉の使い方や展開など、文芸的な面白さがすごい。また、台本が作り込まれており、ナレーション、演出、撮影、すべて非常に丁寧に行われている。日常をさりげなく撮っているだけのように見せかけて、実はものすごい手間をかけている。やはりこれだけやらないとYouTubeで支持を得ることはできないのだろう。

    家で過ごす多くのシーンでも紺色の作業服を着ている。だが、それは動画用に用意したコスプレである可能性もある。ライン工であることは本当なので作業服はあるだろうが、本当に会社の作業服なのかどうかは分からない。なぜなら、家でも作業服を着て作業帽をかぶっているシーンが多いからである。田舎の自家用車勤務ならあり得るが、東京にいて作業服で通勤するだろうか? 工場で一日仕事した作業服で晩ごはんを作って食べるだろうか? 衛生的に問題がある。ただ、作業服に黒いジャンバーを着て帰ってきて、着替える、という場面もあったので、そこは若干謎である。

    要は、本人が動画制作の総監督であり演出家であり役者であり、台本を作成した上で、それに合わせて「絶望ライン工」の演技をしているのである。絶望しているライン工に見えるように役をやっているのである。どこまで台本を作り込んだ上で演じているのか、どこまでがアドリブなのか、どこまでが撮影後に編集で脚色しているのか、そのあたりの制作過程を知りたいものである。シナリオを考えた上で撮影するというのは、その工程のめんどくささからすると、簡単そうでも、なかなかできるものではない。

    動画編集も、撮影を含め、ものすごくうまい。ほぼ毎回最初に出てくる、駅に電車が入るシーン。車窓からの風景。御飯を食べているシーンも作るシーンも、アングルを2、3回変えて撮っている。編集での黒へのフェイドの長さも絶妙だし、文字もセンスがある。映像の動きとナレーションとの受け渡しも本当に丁寧に作り込まれている。テロップは、なくても言葉は聞こえるのだが、すべて丁寧に入れている。サムネは毎回同じデザインで固定されている。これも実は自信がないとできないことだ。何より、サムネの語句が絶妙にうまい。サムネの写真もよく考えられている。映像の画質もいい。

    受ける要素を盛り込んだ設計

    更新は週に1回きちんと行われていて、その辺りも、動画チャンネルを確実に運営していくという本気を感じる。

    支持が多いのは動画のクオリティーが高いからであることは間違いないが、それ以外に、食べ物・料理が多い、柴犬が相棒としてほぼ毎回フルに登場しそこに愛がある、タイトルには受けやすい言葉選びなど、時代に合わせてよく考えられている。とにかくこの人は頭がいい。

    プロデュース、マーケティング、企画、映像制作、撮影、演技、家の中のセッティングとかわいい柴犬のお世話、音楽制作と演奏と録音、全てにおいてクオリティーが高く、結果、総合的にはクオリティーがバカ高いチャンネルである。一人で全てをここまで完璧にできる天才がいてもいいのだろうか? YouTubeの中にはこんな才能がころがっているのである。もはや、テレビのバラエティー番組など、完全に敗北だ。そんなものを見ている人が気の毒だが、作っている人はもっと辛いだろうな。

    ややマウントをとっている人と、湧いてきたアンチと

    視聴者のコメントを読むと、「工場で働く労働者」に対して本気で「かわいそうに。大変だけど頑張ってね」という視線で語っているものが結構ある。「あなたのような人のおかげで社会が成り立っています」と、虐げられている人に感謝しているものもある。申し訳ないけど、この人の才能の前で、この人に対して「かわいそうだ」などと思う人の方がかわいそうである。その、「自分よりちょっとかわいそうな人を見て、頑張ってねと言いたい」という一般大衆のマウントともいえる感情を利用して、受ける動画を作っているのである。悪い意味ではなく、工場労働をネタに、賢く計算して設計しているのだ。もちろん工場労働が楽だと言いたいわけではない。けれどこの人は、そのうちもっと違う人になるだろう。本人も「40代になってからの答え合わせに驚いている」という趣旨のことを動画の中で言っている。

    アンチも結構いるらしい。その多くが、「広告収益を稼いでいるのに絶望とか言うな」「稼いでいるくせにもうやめろ」と言った類のようだ。おそらく、初めこの人を自分と同じだと思った人が、途中で只者ではないことに気づき、落胆しているからだろう。その気持ちは分かるが、いくら怒っても天才の才能を他人が減らすことはできない。

    神様は才能のある人を埋もれさせておかなかった

    本人は音楽だけで生きることを一旦諦め絶望したのかもしれないが、神様は本当に能力のある人を埋もれさせておくことはできなかったようだ。ただ、YouTubeで人気者になり、もはや年収240万ではなく現時点で1500万円を超えたとのことで、これからも増えていくだろう。それでも工場勤務は辞めるつもりはないとのことだが、どこまで「絶望」を演じるか、あるいは絶望の演技に視聴者がついていけるかは、興味を引かれるところだ。絶望を演じ続けるとしたら、どのように演じていくのだろうか。

    いずれにしても面白いものを見せてくれるだろうから、これからも楽しみだ。当分このチャンネルから離れられそうにない。

    ■絶望ライン工ch www.youtube.com/@zetsubouline



  • 【ドラマ】Dinner(2013・全11回) 江口洋介の魅力炸裂・何度も見たくなるドラマ

    📂投稿グループ

    フジテレビ日曜9時枠で放映されたドラマ。全11回。もう11年も前である。

    東京にある有名なイタリアンレストラン「ロッカビアンカ」に江口洋介が新しく料理長として就任。おいしい料理を作ることしか考えてなく、自由奔放、マイペースな江口洋介(役名・江崎)によって、レストランスタッフ一同が成長していく。

    そのとき観てまあまあ楽しめるドラマはいろいろあるが、記憶に残り、また観たいと思えるものは意外に多くはない。ひどいものだと、翌年にはストーリーが思い出せなかったり、観たことすら忘れてしまっている。これは当時リアルで観てすごく気に入り、また観たいと思っていたものだ。先日FODにアップされていたのを見つけて、また観ることができた。

    最初は、内容をだんだん深めていくわりとシリアスな感動ドラマかと思っていたのだが、第7回から突然コメディー路線に全振りした感がある。少し違和感があった。ドラマが軽くなりすぎた感じがした。しかし、第10回あたりから落ち着いてくる。

    レストランスタッフの中の主にキッチンスタッフ(シェフ)がそれぞれに料理とは関係ない個人的問題を抱えており、毎回1人ずつに焦点を当てて、問題を解決させていく、一種の一話完結型に近いよくあるパターンだったのは、陳腐な感もあった。第9回あたりから、スタッフそれぞれがレストランの中で腕を磨いて成長していく過程を描くようになり、最後の江口の「卒業」に向けて話が収束していく。この辺りは良かった。

    この最後の展開のように、レストランが苦難を乗り越え、江口とともに問題を解決していくというところにストーリーを集中させて構成することもできただろうと思うが、前半の、各人の個人的問題解決というよくある話に分散してしまったのは残念だった。この日曜9時枠というのはこのパターンがすごく多い気がする。もっと古いところでは、これもすごく良かったドラマだが「美女か野獣」もそうだ。この2つのドラマには八嶋智人や故志賀廣太郎といった共通の俳優も出ていて、「似ている」感が否めない。

    ストーリーや演出も若干子供っぽいところがあったりする。スタッフ一同が集まって突っ立って誰かをじーっと眺めているということなど、あるわけがない。そんな暇があったらおかしい。そんなシーンが毎回出てくる。また、第10回で江口がイタリアの有名店の支店長へのオファーを断るのだが、リアリズムで行けばちょっと考えづらい。あるいは、そうであるならもっと掘り下げが必要である。

    とはいうものの、欠点よりは良い点の方がはるかに多く、何より江口洋介ほか俳優陣の魅力で、観て良かったと思えるものだった。倉科カナもめっちゃかわいい。

    最近はドラマのほとんどが原作が別にあるものなのだが、この時代にはまだドラマのオリジナルの話がたくさんあった。ドラマはいつのまにマンガ頼みになってしまったのだろうか。

    江口洋介は最初の頃はやんちゃ系のキャラクターが売りだったのに、最近は堅物で真面目な役専門のようになっていて、いつのまにそうなっちゃったのかと思っていたが、このドラマでは堅物でありながらお茶目でやんちゃなところを残した役で、観ていて懐かしく楽しかった。最初の頃のやんちゃなキャラというのは、「愛という名のもとに」「ひとつ屋根の下」などで観られたものである。堅物、真面目というのは、「白い巨塔」などのことである。

    まあ私は江口洋介の大ファンなので、どうであってくれてもいい。

    ストーリー・脚本 ★★★★

    ディレクション ★★★★

    キャスティング ★★★★★

    ロケ  (普通)

    セット・大道具・小道具 ★★★★★(よく分からない)

    Special favorite  江口洋介

    総合的魅力 ★★★★★

    いつかまた観たい ★★★★